遺言による信託について
2017年02月19日
こんなケースです。
「Aさんには、長男、長女がいる。長女は結婚して家族と暮らしているが、
長男には障害があって、Aさんと一緒に暮らしている。
Aさんは今年70歳で、自分が亡くなっても障害のある長男が生活に困らないように
したいが、どうしたら良いのか?」
障害のある子を持つ親の多くは、自分が亡くなった後の子の生活に
不安を抱えています。
一般に障害のある子の生活を守る手段としては、
成年後見制度が考えられますが、この制度は判断能力が減退した者を
対象にしていますから、難病や重度の身体障害があったとしても、
それだけでは成年後見制度は使えません。
そこで、信託の出番です。
信託では、判断能力が十分ある者も受益者となることができますし、
信託によって財産の所有権を受託者に移転しておけば、
障害者自身による財産の処分や散逸のリスクも防げます。
親としては、自分が生きている間は自分で子の世話をしたいと希望するので
自分の死後に効力が生じる「遺言信託」の設定で安心できます。
ただし、受託者として指定された者には、就任義務はないので、
生前に受託者となる者とよく話をして、内諾を得ておくことが大切です。
なお、CMなどでよく見る信託銀行などの「遺言信託」は、
遺言書の作成援助や保管、遺言執行業務を提供していますが、
これは信託ではありませんので。
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Posted by ツナギスト 木下喜文 at 11:56│Comments(0)
│遺言・相続
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